
こんにちは、べりももです。
昨日と今日の二日間、東大ではオープンキャンパスがありました。
あちこちで見かける高校生にまぶしさを感じつつ、昔自分がオープンキャンパスに行った時のことを思い出す。
オープンキャンパスに行った時の高2の自分は疑うことを知らず、見たこと聞いたことをそのまま信じ込む人間だった。
見学する学科を選択する時も、何も迷わずにテストで化学が一番得意だったし、好きだったからという理由で理学部化学科を選択した。
フォトクロミック化合物の展示実験をする白衣のお姉さんを見て、
数年後には私もあんな風に大学の片隅で白衣を着てフラスコを優雅に振っているのかなあなどと夢を見ていた。
たしかに実際に、数年後には私は大学の片隅で白衣を着てフラスコを振っていた。
しかし自分にとっては、優雅なんてものではなかった。化学実験は怒涛だった。やってみたら全然自分がやりたかったことではないことに気づいた。
高2の自分に言いたい。オープンキャンパスの時に本当によく周囲を観察して、よく将来の自分を想像したのか、高2の自分よ。
お姉さんの白衣はきれいだったかもしれないが、よく思い出せば、その横にいたお兄さんの白衣は汚れきって疲弊した様子ではなかったか。
展示実験はうまくいくように念入りに準備されている実験で、実際の実験の9割はうまくいかないということなどをちゃんと質問したのか。
ここでふと思い立って、オープンキャンパスに行った時の自分のWeb日記(現在は非公開)を掘り返してみて、実際に高2の自分はオープンキャンパスに行った時にどう感じていたのかを分析してみた。小学生の頃からWeb日記を書いていると、こういう時にすぐに振り返られるから便利である。恥を偲んで私が高2の時の日記を晒してみる。
2005/08/03
行って来ましたよ東大のオープンキャンパス、指揮者のIさんと!
高1のときに申し込みをするのを忘れて行けなかったので、(ぉぃ
今年は行くことができて本当によかったです。
というわけで東大の全貌を深く!私的に!
ドキュメント形式で書きます。時間はあいまいだけど。
10時頃-東大に到着。お馴染みの赤門をくぐる。
くぐる前にこの日記に載せる為の写真を何度も激写。
…って、私何しにここに来てるんだ!東大観光か!
まぁでもオープンキャンパスって観光みたいなもんだよな、と
自分に言い聞かせながら恥を捨てて赤門激写を続けていると、
○○さんに遭遇。
うはー何やってるんだろう私恥ずかしい。(恥を捨て切れてない
そして○○さんとも一緒に赤門でハイチーズと写真を撮り、(やっぱり観光客
赤門を後にする。
そして集合場所の安田講堂を探しつつキャンパス内を歩く。
最近に作られたような現代的な建物から、
歴史が長そうな赤レンガ造りの建物まで
たくさんの建物が立ち並んでいて、
三四郎池(夏目漱石の「三四郎」にも出てくる!)とかローソンもあって、
もう東大全体がひとつの小さな町のようだった。
毎日ここを歩けたらどんなに楽しいだろうか、と思いながら
私は道をまっすぐに歩き続けた。
道の途中、東大新聞が販売されていたので買ってみた。
試験当日の体験談など、結構ためになる情報も載っていて面白い。
定期購読したいなこれ…。
10時半頃-集合場所の安田講堂に到着。
講堂内はすごく広く、一面赤じゅうたんで
シャンデリアもあってゴージャス!
まぁ講堂だから普通こんな感じか。
でも安田講堂には、そこはかとなく長い歴史が感じられた。
そこでのガイダンスは、学長の挨拶から始まった。
挨拶の内容はなんかすんごく良い言葉を言っていた気がするけど省略。
というよりあまり記憶にな(以下略)
その後Iさんはキャンパスツアーに行ってしまい、
私は学生ガイダンスまで時間があったので
一人で大学内を散策しようとしたら偶然2ndパトリのOさんに遭遇。
一緒に回ることにする。
そして回ろうとしたらOが急にサンダルを脱ぎだし、
いったいこの人は東大の敷地で何をするのか、
彼女ならここで大道芸をしかねない…と身構えたら、
「ちょ!ちょっとまって!なんか
足怪我しちゃったからローソンで絆創膏買ってきていい?」
と言ってきたので、大学散策の前に購買を見に行くことに。
購買は東大グッズから炊飯器までなんでもそろっていて、
(あとなぜかハバネロが大量に売っていた…
「みんな大好きハバネロ!」の看板とともに)
私はそこで思わず東大ボールペンとシャーペンを買ってしまいました(笑)
あとドラゴン桜も売ってたな…東大生とか今更読むのかね。
そして改めて大学散策をはじめる。
まずは理学部の建物のところにある、
ノーベル賞をとった小柴さんに関する展示を見に行く。
そこではノーベル賞のメダルが展示されていた。
ニュートリノの説明もされていて、面白かった。
その次に三四郎池を通り、図書館を見に行く。
三四郎池の周りを歩いていると、
どこかの山の中に入り込んだような気がした。
普段はコンクリートの上しか歩かないから、
なれない足取りで私たちは無言で土を踏み鳴らした。
セミの鳴き声と、草木のこすれる音だけがする。
都会にもこんな場所があったのか…。
これを人はオアシスと呼ぶのかもしれない。
図書館は安田講堂同様赤じゅうたんで覆われていて、
たくさんの読書室と本があった。
うちの学校の図書館とは比べられないくらい落ち着いた雰囲気で広かった。
そして急いで食堂でお昼を食べる。
私が食べたのは冷やし中華で、350円だった。
量が多くて食べ切れなかったけどとてもおいしい!
今まで3つの大学のオープンキャンパスに行って来たけど、
どこよりもおいしかった。
カレーやラーメンの定番メニューから定食までメニューも豊富だし。
その後は学生ガイダンス。
教養学部2年生で、3年次には確か工学部(理学部だったかな…)
に進むという学生さんの話を聞く。
受験勉強の話とか当日のこと、キャンパスライフなど色々な話を聞く。
とても親切な学生さんで、私がどんな稚拙な質問をしても
細かく答えてくれました。
特に面白かったのはサークルについての話で、
東大にはいろんなサークルがあるらしく、
サークルに入らずに勉強やバイトに猛進する人もいればサークルで
学生生活をエンジョイする人もいて、
その学生は鳥人間同好会に入っているらしい。
へー。面白そう。鳥人間。うわー理系らしいサークル。
人間は空を飛べるかという永遠の問題にとことん追求していくサークル。
やってみたいかもしれん。(ぇ
他にも珍しいサークルがあって「ふすま貼り同好会」
というのがあるらしい。まぁその名の通りふすまを貼って貼って
貼りまくるサークルらしいのだが、
どうやらもう企業のようになっているらしい。
もしあなたの家でふすまを貼る機会があれば是非どうぞ!?
話を聞いている人は私よりも謙虚な人ばかりで、私が質問してばかりでした。
あ、あと男の人が多かったなぁ。女は私含め3人だったし。
そうそう、その学生に女性と男性の割合を聞いたところ
その学生のいるクラスは女子が3人ほどらしい…ひぇー!
それを聞いてびびった私に学生さんはあわてて
「あっでも他の学部とかの女生徒同士の交流の機会も
いろいろあるんで大丈夫ですよ!」とフォローしていました。
でも今女子校に通っているから、
男ばかりって想像できないなぁ。 別世界だわ。
でも理系ってどこもそんなもんなんだろうなぁ。
急にそんな別世界に行って、やっていけるのかしらねぇ。
べっ別にそんなに気にしていないけどさ。
学生ガイダンスを終え、いよいよメインの理学部キャンパス巡り!
私は早稲田のオープンキャンパスに行って以来、
応用化学に関心があったので、
数学科とか他の学科もとても面白そうだったのですが、
生物化学科と化学科を見に行きました。
生物化学科は展示を学生が説明してくれて、
原子を立体的に見たりたんぱく質の説明があったり
それで説明した学生が坂口憲二似だったり、
まぁいろいろありました。内容が適当なのは
その学生が坂口憲二似だったという記憶しかないからです…。
本当に!別に坂口憲二本人と話したことはないけど
容姿だけじゃなくて話のノリとか身振りも似てたのよ!
兄弟かと思ったほどだよ!びっくりだね!
でここからがメイン。もうひとつ、化学科を見に行きました。
化学科ではいろんな研究室を回って実験を見たり説明を聞いたのですが
一つ目は西原研究室(たぶん)
を見て、クロミック金属錯体について話を聞きました。
説明をしている学生の雰囲気がとてもいい!
実験も何をしてるのかはよくわからなかったけど面白かったし!
あー、研究室にこもってみたいー。
二つ目は長谷川研究室(これもたぶん)
を見て、超伝導に関する話と実験を見ました。
ここは説明している教授だか助手だかが非常に個性的で、
私たちが研究室に入ったとたんに
得体の知れない液体をぶっかけてきました。
恐ろしや!なんかやっぱこの教授どこかぶっとんでるわ。
私の頭の中で警戒ランプが作動する。(笑)
そしていきなりその教授だか助手だかが言うわけです。
「さぁこの液体はなんだ!」
その液体は体につくとすごく冷たいのですが、
あっという間に白い煙となって消えてしまいました。
なんとなく見たことがあるなーと思って私が「液体窒素…?」
とつぶやくとその教授は「その通り!」と言って話を始めました。
すごいんですよ!バナナとか液体窒素にずっといれておくと
石のように固まっちゃうんですよ!
でその液体窒素を使って高温超伝導体を作ったのかな…?
超伝導っていうのは電気抵抗が0の状態らしい。
で、この超伝導を利用して物を宙に浮かべることができるらしい。
手品じゃなくて、本当に物が液体窒素の上で浮かびました。
(すごくこの文支離滅裂だね。すいません。
でも説明しにくいのよ…。大学に入ったら説明できるようになるかな…)
でその教授が「電気抵抗の式は何だ!」ってまた私たちに質問を
してきたんだけどまだ習ってないか習ったとしてもずいぶん昔で
忘れてて答えられなくて、みんなもだまっていたらその教授が
「じゃさっき答えた君!」と私に聞いてきたのですよ。
でその時はわからなかったので正直に「わからないです」と答えたら
「みんな、このままじゃ落ちるぞ!」と
がはははと大声で笑いながら言ったんです。
本当に、あの場に高三とか浪人生はいなくてよかった(笑)
偶然、私と一緒に回っていたのが全員高1と高2だったんです。
それにしても、受験に合格してあの教授を見返したいものです。
あともうひとつ梅澤研究室(多分)をみて、
これは原子を針みたいなものでつついて
立体的にスクリーンに映し出すっていう話なんだけど、
なにがなんだかよくわからなかった。(爆)
でかい機械があったことと研究室がせまかったことしか…(ぉぃ
そして応用化学科のツアーも終わり、Iさんと合流し、
お土産をちらーっと見てレポート用紙を買い、赤門をくぐり、
オープンキャンパス終了。気がついたら6時近くだった。
とても楽しかった。早く大学生になりたいよーう。
ここまででオープンキャンパスレポは終わり。
明日から学校じゃー。2学期の目標は「あきらめない」ことと
「何事にも動じない」ことです。
まぁ主に、あの怒涛の部長会議で粘ることに関してですが…
誰か、教室ちょうだい。講堂の演奏時間をちょうだい。(爆)
がんばります。ほな!
読み直した最初の感想だが…やばい、若いw
恥ずかしさを越えてまぶしい、眩しすぎる。高2の自分よ。
そして「(爆)」とかいう表現に時代を感じる。今から12年前か…。
読み返して改めて思ったが、やはり高2の自分は「東大のオープンキャンパス」を一つのエンターテイメントとして楽しんでいて、何もかもが輝いて見えていて、オープンキャンパスを通して自分の将来を考えるということがすっかり抜けていた。
説明してくれた学生が坂口憲二に似ているかどうかなんてどうでも良いんだよ、高2の自分よ…。ああでも、人が話していた内容よりもその人の印象の方がずっと強く頭に残るということは、とても示唆的ではあるが。
今でも私は、見たこと聞いたことを鵜呑みにしやすい傾向がある。でも、それを自分の一つの特徴だと認識して、かつてよりは見たこと聞いたことをなるべく多面的に解釈するように心がけるようになった。
もう一つ、高2の自分が見落としていたことがある。これも当たり前のことかもしれないが、何かを選択した瞬間に、選ばなかったその他の選択肢の存在をすっかり忘れてしまう。もしくは、他の選択肢を認識すらしないうちに、人は重要なことを選択している場合がしばしばあるということだ。
高2の自分は、大学の専攻は化学しか考えていなかった。しかもテストで化学が得意だったし好きだったからという安直な理由で。
しかしよくよく振り返ると、前述の通り私は小学生の頃からパソコンに噛り付いている子供だった。夜型であることは今と変わらず、ホームページ作りに凝って徹夜することもしょっちゅうあった。
でも高校生の頃は、「情報」の授業は大学受験にも関係ないおまけ程度の授業として存在していて、それが学問の一つであるとは思いもしていなかった。
親にもネットばかりしてといつも怒られていたし、実際ネットにはまってテストの点が下がったりすると、ネット=遊び、良くないものというイメージが植え付けられていった。
だからオープンキャンパスでも、情報理工は存在すら認識していなかった。
知らないということは、それだけで自分の選択肢を減らしてしまう。多面的に物事を解釈するということにも繋がる話だけど、なるべく情報収集して、選択肢は常に複数あるということ、そして自分は今この瞬間も何かを選択しているということを意識して過ごしたい。
何はともあれ、高2の自分よ。私は今、高2の自分が思いもよらなかった方向に自分の舵を切っている。
前回のブログ更新から今にかけて、怒涛であることに変わりはない。
5月は人工知能学会全国大会@名古屋で口頭発表を行った。
思った以上に自分のことを覚えてくれている人や、発表を聞いてくれた人がいて、嬉しかった。
6月はプロジェクトや企業に向けて自分の研究を発表する機会が多かった。
7月は自然言語処理の国際学会EMNLP2017のlong paperに、自分の論文が採択された。
ずっと通したいと思っていた国際学会だったので、嬉しかった。
(嬉しかったを2回使ってしまった。語彙力。。)
8月は理研AIPの若手研究者に対する支援事業であるAIPチャレンジに、自分の研究テーマが採択された。
今までずっと「運動とは無縁」とか言いながらめんどくさがっていた運動もするようになった。
今は、EMNLP2017で行う口頭発表と、次の目標に向けて準備をしている。時間が本当にあっという間に過ぎていく。
今までで一番勉強しているけど、まだまだ知らないことばかりでもあり、楽しいけど、苦しい。
高2の自分と今の自分とで、全然変わらない部分もあって、それは「あきらめない」ことだ。
そんな感じで、自分をアップデートし続けたい。
東大生ランキングに参加しています。これからもよろしくお願いします!
