(前半)第30回人工知能学会全国大会参加報告
- 2016/06/12
- 09:42


第30回人工知能学会全国大会(JSAI)@小倉に参加してきたので報告。
6/5(日)
人工知能学会前日から福岡入りする。この日はただ食い倒れの一日だった。
いつものことだが、荷造りに想定外の時間がかかり寝不足。
研究室の全日参加組2人と羽田空港で待ち合わせし、お昼は羽田空港の回転寿司を食べる。
羽田の回転寿司は初めてだったが、思った以上においしい。
1時間40分で福岡空港に到着。
そこからさらに1時間くらい暇をつぶしてから高速バスに乗り、
1時間30分でやっと小倉駅に到着。遠い…
ホテルにチェックインした頃には18時半になっていた。あっという間に夜ご飯の時間に。
夜はダンモの後輩のAくんが福岡で仕事をしていて、
小倉周辺事情も詳しいということで案内してもらった。
Aくんと研究室の学生2人と私で「味楽」というお店にて
九州の地酒とお刺身、明太子の天ぷら、マグロほほ肉ステーキ、海鮮石焼ごはん、焼うどんなどなど満喫。
どれも美味!最近のことなどつらつら話したりまったりしていたら、
隣のテーブルに知り合いのA先生とその学生さんたちが入ってきてびっくり。
ちなみに後でわかった話だが、このとき他にもJSAIの参加者が結構来ていたらしい。
それだけこのお店が評判良いということですね。
終盤は研究室合同飲みのようになりつつ、解散。
が、ほかの学生2人やA先生方はその後も深夜○時まで飲んでいたらしい…
JSAI全体で感じたことだが、JSAI参加者は飲みにアグレッシブな人が多い。
6/6(月)
9:00開会だったのでその10分前に北九州国際会議場に行く。
北九州国際会議場の近くには工業地帯がよく見える。
受付に行くと当日受付でずらっと並んでいた。
そして受付でもA先生に偶然お会いする。遭遇率が高い。
他の2人はまだ来ていなかったのでさっさとオープニングセッションを聴きに行く。
JSAIのはじまりはじまり。
というわけでまずは自然言語処理のセッションを拝聴。セッションのメモは箇条書き。
・Closed classに着目した教師なし品詞タグ推定性能向上の検討
教師なし品詞タグ推定にクローズドクラス(前置詞、接続詞といった新たな単語が増えにくい品詞)に着目したHMMを適用した
・依存型意味論における型チェックの実装の試み
依存型意味論の型チェック、証明探索、@-elimination(@を具体的な証明項で置き換え)をhaskellを用いて実装
・構文に着目した文体の類似性の数値化
情報量木カーネルを定義し、文書種類別の構造、作家間の特徴を表現する構造を把握
午後一で発表なので途中で抜け、お昼は研究室の皆でごまそばを食す。美味。
このとき、東大ジャズ研の後輩とばったり遭遇。
JSAIでは、いろんな人とばったり遭遇しますね。
午後はいよいよ自分の発表、緊張。。
もっとこうすればよかったかなー、ああすればよかったかなーと
思考をめぐらしてしまう。ぐるぐる。
情報抽出のセッション会場へ。内心ぶるぶるしながら発表を聞く。
・ツイート中の地理情報に対する時間的極性の自動推定
Convolution Neural Networkを用いた文書分類問題として地名とユーザ間の時間関係を推定
自分
意外と質問が飛び交ってあわあわしてしまったが、しーんとなるよりはよかった。
・データジャケットにおける変数ラべルの共起性を考慮した変数ラベル推定手法の検討
DJ に含まれる概要と変数に関する情報(変数ラベル)から変数ラベルの共起性に着目し、
変数に関する情報を含まない概要情報から変数ラベルを推定する方法を提案
・コンテキストを考慮した非タスク指向型対話システムの構築対話システム
質問のcos類似度を用いて、話題転換用の語句に依存することなく発話の内容からコンテキストを判断する手法を提案
・逐次的な差分に基づく複数時系列文書要約への取り組み
1日目の要約文、または過去の文書集合と2日目の文書集合の類似度を計算し、類似度が閾値より高い文を削除複数の新聞社の記事を時系列順に要約
発表が終わってからも研究者の方や企業の方と何人かに声をかけていただきました。
まだJSAIでの発表内容は研究を始めたばかりで拙い発表内容だったのに、ありがたいです。
色々とコメントを頂いたので、コメントを参考に引き続き精進します。
次のセッションは知り合いのN先生のセッションだったのでご挨拶して、そのまま少し残ることに。
・コト・データベースによるモノ・コトづくり支援
異職種・異業種間の情報共有は重要だが、情報共有のモチベーションの維持が難しい(忙しい時は登録が面倒、とか)
ので、組織として議論、価値観の共有を行い、ルールを策定する必要がある
機械学習基礎のセッションに移動。
途中から入ると席が空いて無くて立ち見になることがわかった。ちょっとつらい。
・潜在含意関係認識
前提文を行列 (空間)、仮説文をベクトルで表現した上で、その前提文空間と仮説文ベクトルとの関係として意味の包含関係を捉える
データ可視化のセッションに移動。広い部屋だったので席を確保できた。ふー←
・ラフ集合と形式概念分析を用いた概念構造可視化システムの開発
分析対象に対して形式概念分析とラフ集合解析を同時に実行し
形式概念分析によって得られたハッセ図の上にラフ集合解析で得られた決定ルールを投影し描画することで
両方の分析結果を単一の図の上で視覚化
・クラスタリングとヒートマップによる高次元データ可視化
高次元時系列データを散布図、ヒートマップ、階層的クラスタリングで可視化
次はDeep Learningのセッションへ移動。
・Deep Neural Networks の力学的・幾何学的解析
データセットの意味的構造がデータセットの幾何構造と関係している
・Deep Learningから身体性、シンボルグラウンディングへ
深層生成モデルはパターン空間での処理を記号空間上で実現するために今後重要である
最後にことば-コンピュータ-コミュニケーションのセッションへ移動。
若干会場間に距離があるので移動だけで結構エネルギーを使う。ひー。
・物語生成のための事象間の結合属性の分類―物語論的観点からの検討
物語言説における事象間、節点間のの結合属性の分類を行う
夜は友達とビュッフェでご飯。へとへとだったのでお腹がすいていたので
たくさん食べてしまった…。この学会で太った気がする。
6/7(火)
この調子でブログをまとめていると一向に終わらないことに気づいたので
さっさと書いていく。
今日も博多通りもんを朝ごはんとして食べ、出発。
ちなみに、連日朝食なしにしたので、連日朝ごはんは博多通りもんだった。
毎日おいしかったけど、しばらくは通りもんは食べなくてもいいかな…←
インタラクティブセッションに参加。研究室の先生と学生一行とも合流する。
インタラクティブセッションは大盛況で、
ポスターに張り付いているかのように食いついている参加者もいて、
見れないケースもあったけど、勉強になりました。
口頭発表とインタラクティブセッションの両方で発表している人もいて、
昨日口頭発表でよくわからなかった部分もインタラクティブセッションで補強できたのでよかったです。
インタラクティブセッションを最後まで聞いていたので、遅れて特別講演に参加。
個人的には両方向マッチングの話が面白かったです。
研究室配属、安定結婚問題と人生はマッチングの嵐ですね。
女性研究者のキャリアと環境を考えるセッションに参加する。
普段男性社会に生きている身としては女性研究者のお友達を増やしたい…!と
日々、常々、思っていたので、参加してお友達ができて良かったです。
自分とかなり経歴が近い方とも出会えて、とても嬉しいです。
私もがんばるぞ!と励みになります。
セッションの後もしばらく立ち話をしてから、次のセッションに移動。
自然言語処理のセッションへ。
・英語センター試験「未知語語義推定問題」解答のための評価尺度について
問題文と選択肢との意味的類似性を用いる方法、問題文の文脈から出現語句の尤度を評価する方法、
パラフレーズ認識を用いる方法を用いて未知語語義推定問題を解く
・語句出現頻度を利用した公開特許からの課題、手段推定システムの検討
公報から分類出現語句情報を抽出し、公報の文書ベクトルを導出して分類推定を行う
ほかにも色々セッションをちら見しましたが、割愛…
2日目最後はメンタリングセッションに移動。
招待講演は一言でまとめると、
素朴な疑問を大事にして、一つ一つの疑問に真摯に取り組めば、きっと次の道が見えてくる
という学生へのエールでした。頑張ります。
学生企画はシンギュラリティは本当に起こるのか?
といった人工知能にまつわるテーマで議論。
オンラインで投稿して議論する形式はおもしろかったです。
学生企画の後は懇親会。ここでもたくさんの研究者と友達になることができました。
JSAIに参加している研究者の方々の研究内容は、みんなちがってみんないい(何
という感じで、みんな全然違う研究内容だけど、少しずつ手法や哲学で似ている部分もあって、
話しているだけでかなり頭が刺激されました。
こういったつながりをこれからも大事にしたいです。
ひー長かった。とにかく盛りだくさんの学会でした。
だいぶ雑になってしまったが前半編でした。後半編はまた今度…。
違っている所などもしありましたらご指摘くださいませ。
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